昨今のダンスミュージックを作る上で欠かせない存在のウェーブテーブルシンセ。
しかし、その多くは高性能ゆえに少々値が張る製品が多いのもまた事実。
有名なウェーブテーブルシンセといえば、Xfer Records『Serum』やNative Instruments『Massive X』などがありますが、今回紹介するVitalはそれらの製品と同等の性能を有しながら、無料で使うことができます。
フリーで使えるシンセとしては、最強と名高いVitalの魅力を紹介します!
Vitalとは?
「基本操作紹介動画」
英語解説動画
日本語解説動画
VitalはVital Audioからリリースされている、無料で利用できるウェーブテーブルシンセサイザーです。
2020年リリースと比較的新しめのシンセですが、音の良さ・操作性・無料で使えるなど、あらゆる面で話題を呼んだホットなプラグインです。
初心者でも扱いやすい上に、無料で使えるためファーストシンセにもオススメです。
Vital概要
製品名 | Vital |
開発メーカー | Vital Audio |
メーカーURL | https://vital.audio/ |
価格 | 各種プランにより異なる(詳細は後述) |
オシレーター数 | 4(ウェーブテーブOSC3+サンプルOSC1) |
Vitalの料金プラン
Vitalには4つのプランが用意されており、上位のグレードになるほど豪華な特典が用意されています。
無料プランでも、後述するText to Wavetable機能以外は制限なしで使用することが可能です。
4つのプランの中でも、Subscribeプランは少々特殊なので補足説明します。
Subscribeプランは毎月$5の支払いでProプランと近い特典を獲得できますが、プリセットの追加方法がほかのプランと異なります。
Subscribeプラン用プリセットがダウンロードできるほか、毎月支払ったクレジットがストックされるので、有料プランのプリセットパック購入時に使用することができます。
サブスクリプションは一時的に休止することが可能で、休止中もストックは保存されます。
無料プランでも、後述するText to Wavetable以外は機能制限なしで使用することが可能です。
プラン名 | Basic | Plus | Pro | Subscribe |
料金 | 無料 | $25 | 80 | $5/月 |
プリセット | 75 | 250 | 400+ | $5/月のストアのクレジット |
ウェーブテーブル | 25 | 70 | 150 | 加入者限定パック |
特典 | Text to Wavetable無制限 追加のスキン Discord限定特典 優先サポート | Text to Wavetable無制限 追加のスキン Discord限定特典 優先サポート | ||
その他 |
| 新機能、新プラグインへのファーストアクセス |
Text to Wavetableとは、文字通り「入力したテキストをウェーブテーブルに変換する機能」です。
Text to WavetableはBasic、Plusプランでは1日に5回までの利用制限があり、Pro、Subscribeプランでは無制限で利用することが可能です。
これはとてもユニークな機能で、簡単にボコーダー系の声ネタを作ることができます。
Vitalのここがイイ!
1.音がいい
オススメする上で当たり前の理由ですが、音がいいです。
それに加えて、今風EDMのあらゆるジャンルの音が作れるため、フリーのシンセながら主戦力として使用しているクリエイターもたくさんいます。
Vitalは無料版Serumなどと表現されることがよくありますが、あながち間違いではありません。
Basicプランと比べると、プリセット数やウェーブテーブル数でSerumに劣りますが、出音や機能面に関しては引けを取りません。
また、基本操作はSerumに通ずる点が多いため、すでにSerumを使用している方はすぐに使いこなせるかと思います。
Vitalの付属エフェクトは、使いやすく音もいいので個人的にかなりお気に入りです。
2.UIがシンプルで初心者でも使いやすい
VitalのUIは全体的にスッキリしていてとても分かりやすいです。
波形の変化がリアルタイムでグラフィック表示されるため、視覚的にとても見やすくなっています。
無料で使うことができるため、ウェーブテーブルシンセを初めて触る初心者の方でも、仕組みを理解するにはもってこいのソフトシンセです。
ウェーブテーブルシンセの特徴ですが、一度操作を覚えてしまうと、音作りが格段に楽しくなります!
3.音源の拡張性に富んでいる
VitalのBasicプランはプリセットやウェーブテーブルが少ないため、導入後の即戦力としての活躍は難しいですが、自身で拡張音源を導入することでその問題は解決できます。
Vitalは人気ソフトシンセということもあり、様々なメーカー・プロデューサーがプリセットやウェーブテーブルを配布しています。
そのため、無料の拡張音源を集めるだけで十分に主力シンセとしての活躍が見込めます。
さらに、VitalはSerumのウェーブテーブルを読み込むことができるため、配布されているSerum用ウェーブテーブルや、Serum付属のウェーブテーブルをそのまま使用することも可能です。
自分で拡張音源を増やせば、無料プランのプリセットの少なさは余裕でカバーできますね。
4.プリセットの追加、管理が楽
ソフトシンセによってプリセットの追加方法は異なりますが、Vitalのプリセット追加は非常に簡単です。
vitalbankファイルの場合
Vitalのプリセットが保存されているフォルダにvitalbankファイルを移動し、メニュー「Import Bank」から先ほど追加したvitalbankファイルを選択するだけで追加完了です。
vitalプリセットファイルの場合
プリセットが入っているフォルダをVitalのプリセットが保存されているフォルダに移動するだけで追加完了です。
Vitalのプリセットはタグ情報を追加することで、音色のカテゴリ分けが可能です。
拡張音源が増えてフォルダがごちゃごちゃしてきても、すぐに音色が探しやすくなっています。
プリセットのお気に入り登録もできるため、気に入った音色はどんどん登録していきましょう!
Vitalを導入する前の注意点
1.負荷が大きい
ウェーブテーブルシンセは多機能故に負荷が大きいものが多いのですが、Vitalも例外ではありません。
複数台立ち上げるほどDAWが重くなるため、使用する際は注意が必要です。
PCへの負荷は環境によって異なるため、重くなったらトラックのバウンスやフリーズ機能などを使って対策しましょう。
2.デフォルトプリセットは使いどころを選ぶ
無料プランに収録されているデフォルトプリセットは、汎用性より個性重視のサウンドが多い印象です。
即戦力として期待していた方は肩透かしを食らうかもしれません。
実用性というよりも、Vitalの音作りの幅広さを伝えるためのプリセット、といった印象です。
購入可能サイト
Vitalは公式サイトで購入することができます。
無料で使用したい場合はBasicプランを選択してダウンロードページへ進みましょう。
まとめ
Vital Audio『Vital』を紹介しました。
今回の記事をおさらいしましょう。
リリースして間もないにもかかわらず、一躍人気ソフトシンセの仲間入りをしたVital。
フリーシンセの中では間違いなく最強、使いこなせれば有料シンセと遜色なし!
強力なウェーブテーブルシンセが欲しい方は、ぜひチェックしてみてください!